わくのメモ

日頃ふと思い付いたことを書きます。

世界が滅ぶとしたらどのように滅びるか?

内容はタイトルままです。実際にこんなことが起こるかはわかりません。

これは全部フィクションです

 

もしも世界が滅ぶとしたら

 世界は滅んでしまった。人類はまだそれなりの数生き残っているが、もはや以前のような繁栄をすることはないだろう。私が80歳になるまで生きることはきっとできる。でも私の孫が80歳まで生きられるかはわからない。人類はもうそれくらいまで追い詰められてしまった。いや、これも自業自得なのかもしれない。

 私はあの日のことをよく覚えている。全てはあの日から始まって、あの日に全てが終わったといえるだろう。未知の微生物が世界中で発生した。それは石油・石油製品を食べる性質を持っていたらしい。火力発電所は停止して電力不足になった。石油製品もすぐに不足するようになった。現代の生活はもはや石油無しでは成り立たなくなっていたのだろう。

 人々がこれまでと同じ生活を送ることは二度とないと気付いたのは事件発生から1か月もかからなかった。その後はパニックになった群衆が国会議事堂前に押し寄せたり、海外に逃げようとする人が増えたり、はたまた怪しい宗教が流行ったりした。私は、もともと田舎の方に住んでいたから混乱には巻き込まれなかったものの、事態の深刻さに気付いた時には取れる行動はほとんど残されていなかった。田舎の山奥に籠もって農業を続けていればしばらく生き延びることはできるし、首都の方に出ていけば何か変えられたかもしれない。私は結局のところ山奥でひっそりと暮らしている。村の中の若い人はほとんど首都に出ていったきり音沙汰がない。

 たまたま村に立ち寄った旅人の話によれば、首都では強盗や放火などが日常的に行われているらしい。そこに秩序はもはや存在していないとのことだ。彼らには彼らなりのコミュニティがあるらしく、私も彼らから時々情報をもらっている。日本に限って言えば人口は1000万人を切ったかもしれない。農業ができない地域では食料が足りずに餓死する人がとても多いそうだ。海外の話はあまり聞かないけど、海外に行った人から連絡がないということから推して知るべしか。

 これから生まれる子供は、この村から出ずに一生を過ごすのだろうか?彼らには未来がないのだろうか?この世界はもう…